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大和市 久田緑地の実態と保全対策

樹木3種類の一輪挿し

大和市 久田緑地はどこにある?

久田(くでん)緑地は近代以前から人々の生活に必要な燃料や木材などを供給するために大切に扱われてきました。緑地東部を流れる境川のゆるやかな河岸段丘に沿って、約1キロ細長く続く樹林地です。雑木林と畑や屋敷林が織りなす相模野の農村風景が今もみられます。かながわのナショナル・トラストの第二緑地として、保全が図られています。
緑地面は7.9ha、南北に約1.2km細長く住宅街に緑の回廊が続きます。

久田緑地

樹木の最後が廃棄物!? 知っていただきたい、緑地の実態

久田緑地の周辺には住宅地と畑が広がっているため、住宅地や農地との林縁部の維持管理が必要となります。樹木は空間を求めて枝葉を伸ばすことで、落葉が住宅の雨戸井の詰まったり、建物や車などへ樹液が飛散したりと、問題となっています。
また、大きく成長したため、風雪によって枝木が折れることや、場合によっては倒木の危険性もあるため、毎年、定期的に樹木の伐採 せんていや剪定を行っています。
そこで出される丸太や枝木の大半は搬出され、廃棄物として処理されてしまいます。それまで何十年と緑地に根を下ろして成長を重ね、様々な恩恵を与えてきた樹木の最後が廃棄物扱いでは、悲しい結末といえます。

「製材体験&木工ワークショップ」を開催しました

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久田緑地は公園として管理されることなく、トラスト緑地保全支援事業を展開しています。支援者の皆さまに情報発信や来訪いただけるきっかけとして、2017年11月26日 (日 )に「製材体験&木工ワークショップ」を開催しました。このイベントは東京都世田谷区に拠点をおく(社)街の木ものづくりネットワークと連携して開催しました。伐採した丸太を使用することで廃棄物とせず、イベントで活用しようというものです。
製材体験では普段見ることがない大鋸(オガ)を 使って、子どもも大人も丸太を挽く体験をしました。切り株見学や、講師による樹木や製材についての解説、スプーンや箸づくりも行われ、当日はたくさんの参加者で大いに盛り上がりました。

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丸太は長さ1.4m、直径40cm 。台座に乗せてヨコに挽いていきます。

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手前の木にもたれかかっているものが大鋸(オガ)です。

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切り株も見学。上を見上げれば、葉を広げていた空間がぽっかり空いていました。

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しっかり固定して縦に挽く方法も体験しました。

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参加者とオガを持つ講師の湧口氏

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スプーンや箸づくりも行われました。

久田緑地は、人工林など木材生産を目的とした林地ではなく、搬出される樹種も様々であり、決して使いやすいものではありません。講師を務めた湧口善之氏(街の木ものづくりネットワーク代表理事)のご協力により、製材体験イベントが実現しました。搬出される丸太や枝木で使える部分を選別、その樹木のクセをみて木材としての新たな価値を生み出していただきました。ありがとうございました!

製材体験に利用したウワミズザクラについて

ウワミズザクラは公園や庭先で見かけるサクラとは異なり、白くブラシ状の花をつけるサクラの仲間で、久田緑地でも数か所で見られる山野の樹木です。昔から漆器や工具の柄などにも使用され、淡く赤みがかかり年輪の風合いが好まれる美しい木材として利用されてきました。

ウワミズザクラは株元の腐朽が進み、このままでは住宅地に隣接し、倒木の危険性が出てくるために伐採を決断した樹木でした。街路樹や銘木などは手間暇をかけて、薬剤散布や支柱を施すなど延命させる処置もありますが、緑地保全の観点では伐採や剪定を行い、その緑地の更新を図り自然環境を再生します。

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「森からの贈り物プロジェクト」
久田緑地産材の木工品の紹介

財団では、久田緑地をはじめとした、身近な都市近郊の緑地を保全しています。その樹木管理として、伐採、剪定される木を廃棄するのではなく木材として生まれ変わせるのが「森からの贈り物プロジェクト」。寄附いただいた支援者の方には、木工返礼金がお手元に届けられる仕組み。
伐採、製材、乾燥、加工といった立木から製品までの工程の流れは、機関紙ミドリで紹介しました。

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一輪挿し

約W30×D30×H50mm/木部+ガラス管

樹種や部位によって、木目や色味がさまざまで、 同じ作品は生み出されません。本来は処分されてしまう小さな木片をかき集め、巧みな技によって唯一の一輪挿しと生まれ変わります。個性ある作品を集めて、自宅に一輪挿しの森を。

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額縁
外寸W151×D189厚み25mm内寸約W90× D90厚さ25mm木部+アクリル

この額縁は広く厚く、飾られる写真や絵を引き立てる以上に個性的な縁柄を主張します。 樹種によって木目や色味がさまざまですので、集めて楽しい額縁です。

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カッティングボード

約W350×D160厚さ18mm

木目や色合いがはっきり出るため、樹種の個性的な特徴が現れます。朝食のトーストを置くお皿として、ハムやチーズを盛り付けて食卓に彩りを与えるアイテムとして、店頭に並ぶことのない、個性的な樹木たちを素材そのままに。

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